予約の意味あるんですか
これは大学病院の外来で起こった出来事になります。
この日は外来も予約がたくさん入ってた状態。
症例

それではお大事にどうぞ。

ありがとうございました。

お次の〇〇さんどうぞー。

やっとですか。

すいません。お待たせしました。

2時間も待ちました。予約の意味あるんですか?
外来ではよく見られる光景です。
R2年 厚生省より受領行動調査の概要というものがあります。
すべての病院で合わせると待ち時間1時間以上が21.9%となっています。
しかし特定機能病院だけで見ていくと27.1%、大病院だと25%となります。
約4人に一人の方は1時間以上待ちになるんですね。
申し訳ない気持ちはたくさんあります。でも謝罪するつもりはありません。
なぜなら医師としてもさぼっているわけではなく必死でやっているから。
- 休憩はトイレ休憩のみ。
- お昼ご飯休憩なんてない。
- タバコ休憩なんていきません。
- 外来の合間に救急車での搬送を対応しています。
- 病棟での仕事もこなしています。
外来の日は終わるころにはへろへろになります。
どうすればいいんですかね。予約の数が多いのが問題なのはわかってはいるのですがこの人数を診ないと次の週にしわ寄せがきてしまうんです。
診察一人の時間を減らすしかないんですね。昔からいう2時間待ち3分診療って状態です。
ただし、そうもいかないのが現実です。
今日も元気ですね。薬出しておきますね。だけでは終わりません。
検査結果を説明して今後の予定をお話して、検査予定を組んだり、カルテを記載したり。
多くの医師がこの状況はまずいということは理解しています。しかしながら大きな解決策がないのが現状になります。
以前ほかの先生の外来に2時間待たせるもんだから2度と行かないと言って帰ってきてやった、と武勇伝のように話している方がおりました。
お怒りの気持ちはもっともです。でも落ち着いたら冷静に考えてほしいです。
損をするのは誰なのかということを。大病院を受診している患者さんにはそれなりの理由があります。「その病院でしか診療が難しい」からです。
それを放棄して他病院に行くとなると10分で見てくれても診療としては60点で赤点ギリギリかもしれないし、なんなら30点もいかないかもしれない。
最初の病院で見てくれていれば10年後問題ないかもしれない。他病院だと3年後に他界しているかもしれない。
そんなことも可能性としてはありうるのです。
まさに短気は損気といったところです。
2か月、3か月に1日くらい2時間くらい待っていただけませんでしょうか?
解決策
それでも早く診察してもらうためには以下のことが有効なことがあります。
- 早い時間を予約する。
- 検査は別日に行う。
- 早めに受診したい旨を伝える。
- 具合がよくない
これで解決できるのは一部の人だけで全員が、というわけにはいきません。
順に解説していきます。
早い時間を予約する。
前の人が時間がかかればかかるだけ後の人は時間が遅れていきます。
と、くれば早い時間特に朝いちばんに予約を取れば比較的時間通りに診察がいくはずです。
ただし朝一番から、または外来開始前から救急患者対応などもありますので絶対ではないです。
検査は別日に行う
これは全員にいえる唯一の有効なことです。
病気や状態によっては当日検査しかできないこともありますので、それは外来医と相談してください。
それ以外の人の多くの病気の人は当日の検査でなくても全くかまわないのです。
数日で病状が変わるのは多くはありません。1週間程度であれば誤差みたいなものです。
もちろん2回来なくてはいけない、というデメリットはありますが間の待ち時間は減るのではないでしょうか。
早めに受診したい旨を伝える
これは医師にもよります。あとはその理由です。
時間かかるのはちょっと、だったり遊びにいくとかであれば門前払いです。
子どものお迎えとかあくまでもご自身の都合でないことが重要です。
外来事務の手腕であったり、診察している医師にもよりますが少し優先してやってくれる可能性があります。
あんまり毎回だとちょっとな、って感じではありますが。
具合がよくない
体調がよくないようであれば素直に申し上げましょう。
ベッドに横にしてもらえたり、早めに少しみて点滴などの治療が開始されたりします。
あまりにも悪い場合にはそのまま入院となってしまいますが。
まとめ
待ち時間というのは人生において無駄であることが多い時間です。
その時間を有意義に過ごすことができるのかは本人の意識によるものかと思います。
状況によっては受診後に入院や追加検査の可能性もあります。
待ち時間を短くする方法なども少し書きましたが、受診の日には時間に余裕をもってきていただけると助かります。
我々も必死で診療をしております。寛大なお気持ちお待ちいただけると幸いです。
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