これは大学病院時代。
手術前の説明のお話。
手術前に病気の話、手術の話、合併症の話、今後の予定をお話して最終的に同意を得るための説明中の出来事。
全てお任せします

あなたの病気はがんでこのまま放っておくと命にかかわります。
手術が一番かと思います。

ふむ。

治療にあたりリスクは糖尿病があり、感染や治るのが遅くなることがあります。

なるほど。

ここまでで質問はありませんか。

素人なんでよく分からないけどもう全てお任せします
外来で1時間程度説明を行っています。
簡易な絵などを用いながらできる限り分かりやすいよう、医療用語などは使わないように説明を心がけています。
間に質問を時間をいれつつ行っております。
その最終確認でこういったことを言われてしまいます。

先生のことはすべて信用しております。全てお任せします。
であればいいんですけど、よく分からないけど任せますっていうのは丸投げでよくないです。
昔はパターナリズム(paternalism:父権主義)が多くありました。

がんです。手術しますよ。

すべて先生にお任せします。
こんな状態でした。
時代は変わりインフォームドコンセントを行ったうえでご自身で治療方針を検討し、サインをしてから手術・治療を行っております。
インフォームドコンセント
Informed consent(IC)。患者に十分な情報を与えられたうえで、自らの医師で同意をすること
なんでもかんでも同意書です。
高い買い物をするときによく説明は聞きいてから買いますよね。
それで損するのはお金ですが
医療の場合は健康や命になります。
それでもよくわからない状態で契約書にサインしますか。
解決策
- 頑張って理解する。
- 分かる人を連れていく。
- 録音する。
頑張って理解する
単純ですがお任せしないで、話していることをきちんと理解すること。
真の天才が説明はわかりやすいように、体外の医師はできる限り分かりやすいように説明を行うようにしているはずです。
医師によってこの説明能力には差があります。
医師歴が長くなってくると慣れのせいなのか一般常識から離れていくのか医療用語がおおくなってしまう傾向にあると個人的に思います。
分からないことがあれば素直に聞きましょう。
わかる人を連れていく
一番のオススメです。
自分が説明を行う際にはご高齢の方に行うときはできる限りお子さんなど若い方に介入していただくようにしております。
家族との信頼関係にもいいですし。
たとえご本人に理解が難しくてもほかのご家族がわかってくださればおいおい説明してもらえるはず。
録音する
そしてあとから聞き直す。
これはあんまりオススメしません。
人間録音されていると思うと集中して聞かなくなります。そしてこれをまた聞くのかというとわからないです。
そして録音を禁止している病院も多いです。
録音を行う際には必ず医師に確認しましょう。
まとめ
説明は治療を行う上での契約内容であり、同意を得られたら治療を行っていきます。
合併症やリスクなど怖い話は聞きたくないという人もいますが
どうなるか分からないということのほうが怖いかと思います。
あとはきちんとご自身で選択しないと治療後頑張れないかと思います。
自分のお体のことです。理解をしたうえで治療を行いましょう。
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