最期までがんばりたい

これは大学時代。

入院中の患者様のご家族のお話。

ご本人は病気の終末期でありもう話もままならない状態でありいつ心停止してもおかしくない状態。

最後までがんばりたい

症例

以上により心臓がいつ止まってもおかしくない状態です。

わかりました。

実際に止まってしまったときに延命治療をするかどうかを決めていただきたいです。

俺は最後までがんばりたいです。

少しでも可能性があるなら諦めたくないです。

このあと4時間の説得をするも納得はされず、結局は終末期で死亡された患者さんに対して30分の心臓マッサージを施行しました。

延命治療は無駄だ、蘇生確率は0%ですとは思っていても説明上では言えません。

奇跡が起こって生き延びる可能性もある、ともお話します。

実際問題終末期の方に延命治療は意味がなく、デメリットしか存在しません。

そのあたりは前の投稿のこのあたりでも語っています。

じゃあなんで意味がないのかというとイメージとしてはこんな感じです。

縦は体力や元気度、横は時間になります。

まずはこれは延命治療(CPR)が有効な場合です。

体力が十分にあり心停止したのち治療につなげることができ、

最終的にもとの状態に戻せる見込みがある場合です。

対して終末期はじわじわと低下していきある時心停止します。

延命治療(CPR)を行って心臓の動きが再開しても治療方法がないのでまた心臓が止まってしまうのです。

根性論でもなければ奇跡は起こらないのです。

解決策

これも「病院なのに放っておくのですか」と似ています

  1. 主治医とよく話をしておき、どういった目的で入院しているのかを理解しておく
  2. 蘇生措置の理解をする
  3. 親戚内での建前を気にしない

どんな状況の人でも全力で医療を、とはならないことをご理解ください。

主治医とよく話をしておき、どういった目的で入院しているのかを理解しておく

なんのために入院しているのでしょうか。

積極的な治療は必要ない状況、ないしはできない状況で自宅で過ごせないからでしょうか。

最後だけ頑張るというのもおかしいと思いませんか。

蘇生措置の理解をする

蘇生措置の心臓マッサージをすると多発ろっ骨骨折、胸骨骨折します。

そのくらいしないと全身に血流が回りません。

気管挿管をすると話すことができなくなります。人工呼吸器につないで強制的に呼吸をしてもらいます。

抜いたら呼吸が止まるであろうことが予測されている中で気管挿管をやめることはできません。

それでも望みますか。

親戚内での建前を気にしない

田舎だとこのあたりもあるのですか。

親戚に自分は最後まで家族の命をあきらめなかったとでもいいたいのしょうか。

恰好はいいですね。

ただその結果心臓マッサージにより無残になってしまった患者さんを見てほしいです。

まとめ

ご家族は何歳までいきれば満足ですか。

数分間の生存に対して人生の最後まで鞭をうつ価値はあるのでしょうか。

終末期の患者さにたくさん触れている医師が勧めないのですから

その意味について考えていただければ幸いです。

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