前の人はやってくれた

患者さん
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これは大学時代の入院でのこと。

看護師さんと患者さんが言い合っていました。

前の人はやってくれた

症例

あ、看護師さん。ちょっといいですか。

どうされましたか。

ちょっと腰が痛いからマッサージしてくれないか。

ごめんなさい、そういうことはやってないのよ。

前の人はやってくれたのに使えねぇな。

この後お話を聞いて、とりあえずは湿布で様子をみることにしました。

看護師さんは、患者さんの身の回りのケアや、点滴や処置、血圧・体温の観察、医師との連携など、

非常に多くの業務を抱えています。

時には優しさや気遣いからマッサージをしてくれる看護師さんもいらっしゃるでしょう。

でもこれは「治療」ではなく「サービス」・「善意」にの一環になります。

つまり、「やってくれたらラッキー」くらいのものであって、「やって当然」ではないのです。

私たちは医療者になります。

決して奴隷でも、お手伝いさんでも、ホテルのコンシェルジュでもないのです。

「前の人はやってくれたから、あなたもやって当然」

このような気持ちは、知らず知らずのうちに他人の善意を“義務”に変えてしまいます。

その言葉には感謝もなければ、尊重もありません。

看護師さんも人間です。感情があり、時間が限られ、他の患者さんのケアも同時に担っています。

「腰が痛くて辛いんだけど、どうにかならないかな」とやさしくお願いするような言い方だったら、

別の方法(体位交換、湿布の使用、リハビリ相談など)で、きっと手を尽くしてくれたはずです。

解決策

  • まずは相談という形で伝える
  • できること・できないことの線引きを尊重する
  • 過去と比較しない
  • 体の不調は遠慮せず伝える
まずは相談という形で伝える

マッサージを、ではなくどうしたらよいかを相談しましょう。

必要があれば医師が診察、検査を行い治療を行います。

できること・できないことの線引きを尊重する

マッサージや雑務など、「治療」に直接関係のないことは、対応できない場合があります。

「やってくれたら嬉しいけど、無理なら大丈夫です」と、一言添えるだけで印象が大きく変わります。

過去と比較しない

「前の人はやってくれた」ではなく、今の相手とどう向き合うかに意識を向けましょう。

前の患者さんと比べてーなんて言われたら嫌ですよね。

比較は相手にとってプレッシャーやストレスになります。

体の不調は遠慮せずに伝える

「マッサージしてほしい」の裏には「痛くてつらい」という訴えがあるかもしれません。

その場合は、「この痛みをどうにかしたい」と正直に医師や看護師に相談してください。

必要であれば薬の調整やリハビリが検討されることもあります。

まとめ

要望があるときは「お願い」として伝えること。

無理なことを要求するのではなく、一緒に解決策を探す姿勢が大切です。

医療スタッフとの信頼関係は「思いやり」と「コミュニケーション」から生まれます。

少しの気づかいで、入院生活はもっと穏やかで安心できるものになります。

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